■入れ歯の手入れに歯磨き粉を使ってもよいのか?
皆さんは普段、入れ歯のお手入れをどのように行っていますか?義歯ブラシや入れ歯洗浄剤などを活用して、ていねいにケアしている場合はとくに問題ありませんが、天然の歯と同じように磨いてしまっている場合は注意が必要です。とくに、歯磨き粉の使用には気を付けましょう。
▼歯磨き粉は天然の歯を磨くためのもの?
市販されている歯磨き粉というのは、歯にとって良い成分がいろいろと含まれていますよね。例えば、フッ素は歯質を強くしますし、知覚過敏や歯周病の症状を改善する成分も添加されていることがあります。その他、汚れを効率的に落とすための研磨剤や発泡剤なども、多くの歯磨き粉に配合されています。けれども、これらはあくまで天然の歯を効率的に磨く、あるいは健康にするための成分であるという点を確認しておきましょう。
▼研磨剤が入れ歯を摩耗させる?
歯磨き粉に含まれている研磨剤は、エナメル質というとても硬い組織を磨くために添加されています。それをそのまま入れ歯に用いると、当然、必要以上の研磨効果が発揮されてしまいますよね。その結果、入れ歯の表面がザラザラと粗造になったり、汚れが付きやすくなったりするため、要注意です。
▼配合成分が入れ歯を変質させる?
入れ歯は、比較的変質しやすい素材で作られています。そのため、歯磨き粉に配合されている化学的成分が入れ歯の変形や変色を招くことも珍しくありません。そうなると、見た目が悪くなるだけでなく、口腔内への装着感も悪化することから、入れ歯の機能自体も低下していってしまうのです。
▼まとめ
このように、入れ歯に対して天然歯と同じ歯磨き粉を使用すると、摩耗や変形、変質などの異常をもたらすことがあります。これは毎日お口の中に装着する入れ歯において、致命的な変化となるため、通常の歯磨き粉を使用するのは控えましょう。入れ歯を清掃する際には、義歯ブラシと入れ歯洗浄剤を併用する方法をおすすめいたします。