歯が悪くなってから来院されても、悪くなった部分を削り落として人工の物で補うしかないのです。
「歯は治療すれば治る」というイメージがありますが、
それは違います。
歯は一度治療を受けると、緩慢に抜歯への道を歩むことになるのです。
歯は、治療することでは治りません。
初期虫歯は、PMTCによる再石灰化を目指します。
歯には自然治癒能力はありませんが、
脱灰と呼ばれるごく初期の虫歯では、正しい管理(フッ化物の応用等)により再石灰化とよばれる修復が起こります。
3ケ月に1回の定期健診より
フッ素やミネラル分の補給を促すことで、健康な歯を取り戻すことができます。
当院では可能な限り、削らずに再石灰化を見守っていきます。
現在の日本の80歳の「平均残存歯数」は、何本でしょうか?
なんと答えは「7本」です。
多くの方は熱心に歯の治療に通った結果、7本しか歯を残せてないのです。
それどころか、
80歳で60%くらいの方は総入れ歯になってしまいます。
海外ではどうでしょうか?
アメリカでは15.8本、スウェーデンでは19,5本の歯を残せているのです。
なぜ国によって、このような差が出てくるのでしょうか??
海外の多くは、治療に保険が適用されません。そうなると、1度の治療費が高額になってしまいます。だからこそ、海外では虫歯になる前の予防の意識が高いのです。
日本では虫歯の治療に保険が適用されるので、比較的負担も少なく気軽に治療ができます。
そのため日本人の頭の中に「歯医者は歯が痛くなったら行くところだ」という意識がついてしまったのです。
そういった間違った意識が、アメリカやスウェーデンに比べて、80歳の「平均残存歯数」が半数以下という結果を生み出してしまったのかもしれません。
予防に対する日本人の常識は世界の非常識なのです
なぜ、スウェーデンやアメリカと日本では80歳の「平均残存歯数」がこんなにも違うのでしょうか?
それは、予防に対する姿勢が違うのです。
スウェーデンもかつては今の日本のような状態でした。
しかも、世界一の虫歯大国でもありました。
その反省も踏まえて、治療ではなく予防することで、医療費を抑制しようという国家的な取り組みにより、世界で一番子どもの虫歯の少ない国になりました。
このスウェーデン式の予防プログラムを日本において実践している歯科医師がいます。
山形県酒田市開業の熊谷崇(くまがい たかし)先生です。
その取り組みは、平成26年10月27日のNHK「プロフェッショナル -仕事の流儀-」という番組で特集されました。
酒田市の人口11万人のうち約三分の一の人が、熊谷先生の日吉歯科でメンテナンスを受けています。しかも予防には保険適用がありませんので、全員が完全実費負担を承知で日吉歯科に来院します。
日吉歯科で定期的にメンテナンスケアを受けている子供たちは、12歳児のカリエスフリー率は90%です。山形県酒田市という、神戸に住んでいる私たちにはピンとこない地方の都市で、歯科先進国のスウェーデンに匹敵するほどの予防成果を上げている歯科医院が存在するのです。
今、世界中の歯科医師がスウェーデン式の予防医学を自国で普及させようとしています。
もちろん、私もその一人です。熊谷先生に共感して、熊谷先生の主宰するオーラルフィジシャンコースを受講し、認定終了しております。
虫歯や歯周病を未然に防いで、歯や口を健康に保つ考え方のこと
メンテナンス(予防)をしている人と、していない人には、圧倒的な差があります。
上の図をご覧下さい。
メンテナンス(予防)を定期的に受けている患者さんと、治療だけ受けている患者さんとの残存歯数の推移を示したグラフです。
70歳、80歳になると、残っている歯の本数にこんなに大きな違いが出てしまうのです。
だからこそ、当院ではメンテナンス(予防)に力を入れています。
3ヶ月に1回位のペースでご来院頂き全力でお手伝いさせて頂きます。
歯が抜けてしまうことだけでも怖い歯周病なのですが、最近の研究では、もっと怖い研究結果が出ています。
それは、歯周病菌による全身疾患です。
最近有名なものとしては、心臓病との因果関係がありますが、他にも脳卒中や、肺炎、糖尿病、早産などにも関与していることがわかってきています。
歯周病の患者さんは、歯周病でない方に比べて、致命的な心臓発作を起こす危険が約2.8倍、早産の確率が約7.5倍高いということも報告されています。
虫歯と歯周病は感染症です
このような行為があなたの大切なご家族も、虫歯や歯周病に感染するリスクがあります。
定期的なメンテナンスで、常に清潔なお口の状態を保つようにするのが、感染防止の近道です。
歯周病と介護問題!?あなただけの問題ではありません!!
認知症のリスクが1.9倍に!!歯を失った状態は、認知症を進行させます
東北大学の研究では、残存歯の減少とともに脳も萎縮し、脳機能が低下すると報告されています。
仙台市に住む1,100人を対象とした調査の結果、認知症の疑いが有る55人の平均残存歯数は9.4本で、残存歯数と認知症の関連が示唆されています。
歯を失うことで、踏ん張りが効かず、転倒しやすくなります!!
残存歯数が19歯以下で、義歯も使用していない場合は、転倒リスクは2.5倍とも言われています。
転倒による骨折で特に多いのは、大腿骨骨折です。
大腿骨頸部骨折は、歩行が困難になるため、多くの方がそのまま寝たきりになってしまいます。
むし歯菌・歯周病菌を退治する治療法です
むし歯や歯周病は細菌による感染症であることはよく知られています。どんなに頑張って歯ブラシしても、検診のたびにむし歯を発見されてしまう方や歯周病が悪化している方は3DSによる除菌療法で口腔内からむし歯菌や歯周病菌を完全に除去してしまう予防法が非常に有効です。
3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリーシステムの頭文字の3つのDを取ってます)は、抗菌剤と殺菌消毒剤を専用のマウスピースに注入し、お口に装着することで、むし歯菌(SM菌)や歯周病菌(レッド・コンプレックス等)に直接作用させ、お口の中から細菌群を駆除して、プラークの定着を集中的に抑える治療法です。鶴見大学歯学部探索歯学講座の花田信弘教授が、むし歯のワクチン開発の研究過程で体系づけた予防方法です。当院は、鶴見大学のホームページ上で、「口腔除菌外来を安心して受診できる3DS実施歯科医院」として掲載されています。
また、兵庫県下では数少ない口腔除菌外来の認定診療所の1つとして平成27年4月1日の神戸新聞でも紹介されました。
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むし歯菌・歯周病菌を退治する治療法です
当院での除菌外来は、鶴見大学歯学部探索歯学講座教授 花田信弘先生の講座を受講し、カリキュラム修了を認定された医院でのみ実施される除菌療法であり、鶴見大学歯学部式除菌外来のプロトコールを厳密に適用しております。
単なる3DSとは一線を画しております。
このような方に3DSをお勧めします
むし歯になりやすい・むし歯で苦労してきた人
歯周病になりやすい・歯周病で苦労してきた人
かぶせ物やつめ物などの治療が多い人
ご自宅に「これから歯がはえ始める子」のいるご家族の方(母子感染防止)
ご自身の口腔ケアに自身のない方
口腔や全身の健康にもっと気づかいをされたい方(メタボリック・ドミノ防止)
一生にかかる医療費を抑えることができる
ある調査によれば、定期検診の費用によって、48歳までは年間約2万円平均より医療費が高くなりますが、49歳以降は平均を下回るという結果がでています。
さらに65歳ではケアを受けていると約20万円、受けていない場合は約35万円と年間の医療費に大きな差がでてくるのです。
この理由として考えられるのは、歯のトラブルは全身の病気を引き起こすきっかけになるということです。例えば歯が悪く硬いものが食べられなくなると、栄養が偏りがちになり、栄養の偏りは糖尿病や骨粗しょう症などをまねく恐れがあります。
歯を健康に保つことは、体全体の健康を維持することにつながるといえます。
生活の質がアップする
人間にとって究極の欲望の一つは“食べること”です。食べ物のおいしさを感じるためには、味や匂いはもちろんですが、噛み応えも非常に大切な要素です。
入れ歯では、食事をとることはできますが、自分の歯ではないため、人によっては異物感になかなか慣れないという場合もあります。入れ歯は毎日のメンテナンスは必須ですし、歯肉の変化によって、何年かごとに作り替えをしなければならないため、費用もかかります。
生きることは食べることです。おいしく食べられる自分の歯をもつことは、人間の生活を豊かにする大切な要素なのです。
認知症のリスクを減らせれる
65歳以上の高齢者では、7人に1人が認知症であるといわれていますが、歯数が少ない人や、咀嚼能力が低い人、かかりつけ歯科医院がない人ほど、認知症の発症率が高まるという調査結果がでています。
歯がほとんどなく義歯も未使用の人では、20本の歯がある人に比べて、認知症発症リスクは1.9倍高くなっていたのです。噛まないでいると脳細胞が減少するというデータもあり、自分の歯で噛むことは脳にも影響を与える可能性があります。
問診
口腔内の現状、食生活や生活習慣の聞き取りから
問題点を抽出し、むし歯や歯周病の原因を探ります。
その上で、3DS治療を進める上での療養上のアドバイス
を詳しく説明します。
3DSが必要な口腔内の状態
バイオフィルムが成熟して、殺菌・消毒剤や抗生物質に対する抵抗性が増しており、物理的な破壊が必要です。
このままにしているとむし歯や歯周病が悪化していきます。
細菌検査(術前) サリバチェックラボ
「サリバチェックラボ」はリアルタイムPCR法を採用した細菌検査です。
特定の細菌のDNAを短期間で増幅させ、その数を定量的(何匹いるか)に測定する検査方法です。
細菌の生死にお関係なく測定でき、現在最も信頼できる測定方法です。
ジーシーオーラルチェックセンターという衛生検査所に検査を依頼しています。
測定できる嫌気性菌
P.g菌、T.d菌、T.i菌、A.a菌、P.i菌の5菌種で前者3菌種はレッドコンプレックスと呼ばれ重度歯周病に密接に関連しています。
マウスピース作製
鶴見大学式除菌療法のマウスピースを作製できるのは鶴見大学から認定を受けた歯科技工所だけです。当院は、オーラルバイオデザイン社に依頼しております。症例により数種類のトレーがあり、型どりの方法や石膏模型の作製方法も細かく規定されています。
実際の患者さんのマウスピースの試適
PMTC
専用器具や専用薬剤を用いて口腔内のクリーニング(PMTC)をおこない、むし歯菌や歯周病菌の温床であるバイオフィルムを徹底的に除去します。
PMTCメンテナンスを受けていただく前に
定期的なPMTCメンテナンスの前に、まず歯周病の治療を受けてください。
治療には、健康保険が適用されます。
PMTCメンテナンスに移行している方は、歯周病検査や歯石取り等の、健康保険で適用される処置は全て含まれています。(PMTCロングコース以上の料金に含まれています)
ブラッシング指導
歯石の取り残しのないよう、正しいブラッシングの仕方をお伝えしていきます。
歯石取り
歯茎に付着している歯石を、専門的な器具を用いて除去していきます。
超音波で歯石を壊しながら除去していきますので、歯が傷つくことはありません。
外科的処置
重度の方、回復があまり見られない方には、歯茎を切開しての外科的処置を行っていきます。
※PMTCは,歯石の無い状態を確認してから行います。
バイオフィルムとは
歯の表面や歯周ポケット内部のプラーク(歯垢)が成熟して形成される細菌が作った膜です。細菌がフィルム状のバリアーに覆われているため、抗菌剤や殺菌剤の効果がありません。そのため、3DSの前には必ずPMTCで機械的に除去します。
PMTC(口腔内の専門的クリーニング)によって全体的な細菌量は減少しますが、まだ、むし歯菌や歯周病菌が点在しています。
また、時間とともに再度細菌は付着していきます。むし歯や歯周病になりやすい人の場合は更に除菌治療が必要です。
当院のPMTCを動画でご紹介
3DS除菌治療
除菌療法に使用するイソジンゲル10%、プラークアウト0.2%CHXゲル、1%クロルヘキサメサッドは歯科医院でしか取り扱えない薬品です
3DSは、マウスピースを使って歯周病の薬を歯ぐきに浸透させます。うがいや指で塗り込んでは効果がないのでしょうか?口のなかには唾液があるために、薬が歯ぐきに浸透する前に洗い流されてしまい、効果が減少してしまいます。うがいではどんなに殺菌効果が高くても薬用成分の浸透は望めません。専用マウスピースを使用することで薬を歯ぐきに長く作用させ、むし歯菌や歯周病菌を除菌します。
3DSホームケア
医院での3DS除菌後は、ご自宅で3DSのホームケアを行っていただきます。
ホームケアで使用する薬剤
※ホームケアで使用する薬剤は基本的に歯磨き粉ですので安心して取り組めます
メンテナンス
完全に除菌が成功した後も、再度感染しないように注意し歯科衛生士によるメンテナンスを受けて良い状態が維持できるようにしましょう。
歯科衛生士在籍数は、全国平均で1医院1.6名のところ当院では全国平均の5倍の8名が在籍しております。
みなさまのお口の健康維持を全力でサポートいたします。また、むし歯や歯周病は感染症なのでご家族の方もご一緒に3DS治療を受けられることを強く推奨いたします。
その他にも様々な治療法を行っております
予防メニュー内の、歯周内科治療と3DS治療は、症状がそれほど重篤でない患者様やホワイトニング感覚で、フッ素予防や抗菌剤予防をしたい方におすすめします。
※鶴見大学式除菌療法、生田式歯周内科、3DSはすべてプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を受けていただくことが前提となっております。
詳しくはプロフェッショナルメンテナンスのリーフレットをご覧下さい。
リーフレット「プロフェッショナルメンテナンス」のご案内
当院では、PMTC以外にも患者さまに合った様々なコースをご用意しております。
生田式歯周内科
歯周内科とは歯周病の原因である歯周病菌をジスロマックという抗菌剤と、ハリゾンシロップという抗カビ用歯磨き剤で殺菌し歯周病の進行を止める治療法です。
特にスピロヘータ菌に感染している方に効果を発揮します。
国際歯周内科学研究所設立者である生田図南先生の主催する生田コース認定修了者のみに施術がいうるされている歯周治療法です。
細菌検査(術前、術後に位相差顕微鏡にて)+抗真菌剤+抗菌剤+歯磨き指導 ¥20,000(税抜)
簡易版3DS治療
本格的な除菌療法をするほどハイリスクではない方のための、専用マウスピース
の装着によるフッ素や抗菌薬を直接作用させる予防歯科コースです。ご自宅で簡単
に取り組めます。専用マウスピース鶴見大学歯学部除菌外来コースと同仕様なので、
後から本格的な除菌療法に移行することもできます。
唾液検査(デントカルトSM+デントカルトLB+デントカルトStrip)+3DS ¥30,000(税抜き)